働く女に福来たる

著者 : 酒井順子

者がワーキングガールに対する想像力をたくましくはたらかせ、わき起こった妄想をぎゅうぎゅうに押し込んで物的に定着させた一冊。
中でも職業と服装のつながりについての考察は密度が濃く、「ちょっとレズ的かもね」というくらい高レベルで展開されています。

酒井順子が描く働く女たちは、精神的なコスプレイヤーです。
不特定多数の制服フェチから視線のビームを全身に浴びて、時には高揚し時には疲弊しながら、その職責を全うする存在。中には制服を着用しない職務も含まれているけれど、その人もつい、その職業にふさわしい服装をして現れ、職という役柄を演じてしまうのです。

働く女に福来たる

く女性をコスプレ妄想で見るというのは、少々変態チックではあるものの、それほど特異な趣味というわけではありません。ほぼ誰でも簡単に、そんな風にイメージできると思います。しかも、大人の人間になるとたまにはそれくらいの想像を巡らせるほうが健康かもしれません。

ただ、私は「おばさまの妄想が過ぎるのでは?」または「どっちかというとおじさんの妄想に近くない?」(失敬!)という感想になってしまう章が多かったです……。
私は、カラダが絶不調の時に看護師さんをじとっと湿った視線で追ったり、ナースサンダルならではの靴音に萌えたり、歯が痛む時に歯科衛生士さんをエッチっ ぽいだなんて思ったりする余裕はないな。患者がそんなことを考えるのも、逆にあちらからそう見られるのもご免です★(何もそこまで真に受けなくてもいい か)

もちろん、これはこれで面白がり方もある。ただのモテない暇人の妄想だったらつきあわないが、これ、かなりクリエイティブな暇人の妄想だからいけるのでして。

ース服に萌える人なら掃いて捨てるほどいるし、大企業の美人受付嬢に一種の圧迫感を覚えるという人なら他にもたくさんいることでしょうが、ステレオタイプな表現では終わっていらっしゃらないのがこの本。「酒井順子がこれをどう書き表すのかちょっと覗いてみない?」と言いたくなります。一級品の語彙がある し、比喩はパワフルに飛翔します。
そこまで独創的な妄想が炸裂するわけではないのに、表し方がズバ抜けている!
高いテクニックにもの言わせて展開される、高度な暇つぶし妄想コラム集です。

広告

コメントを残す

以下に詳細を記入するか、アイコンをクリックしてログインしてください。

WordPress.com ロゴ

WordPress.com アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Google フォト

Google アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Twitter 画像

Twitter アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

Facebook の写真

Facebook アカウントを使ってコメントしています。 ログアウト /  変更 )

%s と連携中